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以前もう書かないと書いたけどこの流れで。
自分のラジオドラマ化の時は、上がってきた脚本の出来が良くなく、担当者も「原作のいいところが出ていない」との見解だったため、作者が脚本を書き直させてもらいました。最初から作者が書くのは駄目と言われました。
数話構成で、ある1話は直しすぎてNGが出た。その時の制作側の説明は(担当経由)「原作者は原作で入れられなかったテーマを他メディア化で入れようとするが、そういうのは駄目」だそうです。心当たりがあったのでもう少し控えめな直しに変更。
脚本家は制作側が連れてきた慣れてない新人の女性で、挨拶だけしています。会話無し。直しは受け入れてもらえたので今から思えば良かったけど「アレを読んで何故こうなる?」と、かなりのストレスに。作業も増えたし、作業報酬も無しです。そういえば特にラジオドラマ化料もなかった気がする。
作者が相当直したことは今まで人には言ってないし、ラジオドラマもそれきりだったため誰も聞くことはないのが幸いとしか。そのことを単行本の巻末に書こうとしたらY編集長からボツを出された。「制作側は反論の機会が無いから」だそうです。
愚痴っぽくならないように「あったことをそのまま書こうとしただけ」なんだが、相手側にとってはそれがまずいんでしょうね。
原作とは制作会社にとって飯の種で、原作者は許諾だけしてうるさく言わないで欲しいという本音を制作会社の社長から直に教えてもらったので、それは教訓になってます。
騙したりスルーでは無かったから、はっきり言ってくれる人でまだ良かったかも。
何十年前のことだかわからないけど多分一生忘れないです。
もし守り切れなかったら、もっとつらいことになったかも。
メンタル弱いんです。
こちらが脚本を直せたこと、制作会社社長が良くも悪くも正直なタイプだったため最悪の事態にはならなくてすんだ、それも運だったのかも。
「ありもので出資せずお金稼げるから良いじゃん」
どころではない。場合によってはマイナス喰らいます。
その後の創作活動にも影響出るし、一次創作で食ってる人は創作活動が経済活動だから、それができなくなるって、どういうことかわかりますよね。
本当に怖いです。

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ラジオドラマのことはあまり良い思い出ではなかったのと、由利編集長にあとがきをボツにされたのであんまり言っちゃいけないことなのかな、というのもあってそんなに言わずにきました。
決して相手を悪く言うつもりはなかったんですが、「あったこと」は制作側の原作軽視と受け取られかねないので、制作会社の悪評へ繋がると懸念したのかもしれません。その時の企画では3作品がラジオドラマ化されたのですが、他の2作はともかく、何故そんなに人気があるわけでも無い本作が?というのは不思議だったので聞いたけどあんまり覚えてないです。編集長が推してくれたとかだったかも。
結果的に作者による脚本の手直しはありだったからよかったけど、その後にラジオドラマ化した別の作品では作者さんが脚本参加してたと思うので「あれ?」と思ったけど、恐らく早い段階でそれが決まってて、自分の時はもう脚本の人決まっちゃってるから降板は駄目、ということだったのではと。例え脚本全直しでも脚本家のクレジットはした方が良いとか、そういうことかも、と今では思います。
担当編集と制作会社に行き、社長と挨拶の後お食事に行って社長だけビ−ル飲んでるみたいになって(私は飲めないし担当も飲まなかった)、そこで色々本音が出たんだと思いいますが、原作者にごねられたくない、制作遅れるし、原作者の好きな声優とか指定されても値段が高くて無理、とか制作の愚痴を色々お話し下さって、原作者を目の前にして原作者の悪口よう言うわこのおっさんと思いましたけど、裏話として制作あるあるみたいなことを聞けたのは面白くもあったし、できあがったドラマ自体は楽しく聞かせていただきました。
脚本を直させてもらって本当に、本当に良かったです。直してなかったらちょっと聞けなかったと思います。私自身、そんなに原作通りでなくても構わない派ではあるんだけど「そこ変えちゃ駄目」みたいな変え方をされてたと思います。
声優さんはデモテープ(当時はまだカセットテープ!)もらった時点で決定しており、ちょっとがっかりしましたけどセッちゃんの声優さんの鼻にかかった感じとか良かったし、出演者の中でお名前を覚えてるのはうえだゆうじさんだけなんですけど、今でもお名前を見かけると「鳥井くんをやってくれたうえださんだ」とか思います。音楽は元CCBの関口誠人さんで、最近のインタビューで知りましたが所属した事務所がまともに仕事を取ってこなくてアニメとかやってた時期があったんだそうで、恐らくその辺りの時期だったのでは。良いお仕事して頂いたと思います。その節はありがとうございます。
色々と思いはありますが、当時の関係者の皆さんありがとうございました。
編集長も遠いところへ行かれたとのことですし、時効ということで記憶の一遍として記します。
放送日時は忘れてたけど、父がメモしておいてくれたのを最近発見しました。
お父さんありがとうね。
